メールレクチャー ver.3

7)モノヅクリ現場とホワイトカラー現場

ホワイトカラーやデスクワークの人たちの生産性が一向に向上しない一番の原因は、ものづくり現場の成功体験だと考える事が出来ます。
モノヅクリ現場の典型的な作業である改善活動(無駄とり:無駄排除)を考えるとその問題点が鮮明になります。ビスを持って3歩歩く工程があった。二歩分は無駄と考え1歩歩く工程に変えることにより生産効率が良くなるという話です。この成功体験をベースに多くのホワイトカラーの現場でもBPR(ビジネスプロセスリエンジニアリング)で仕事の流れを精査し無駄を排除しようという取組みが、実施されています。しかし、期待したほどの成果は出ていないのが現状です。
その理由は上図に求めることが出来ます。上図の左の図を考えていただければ、答えはすぐ分かります。このコースの基本的な考え方である「両極併存」発想で考えてみて下さい。「大事」の対極に入るのは「無駄」となります。大事と無駄の状態をモノヅクリ現場とホワイトカラー現場で考えてみて下さい。
まずモノヅクリ現場では、「大事」は多額の投資をしたラインということになります。一度作ると24時間、365日そのラインは不変です。一方でホワイトカラー現場での「大事」はどうなっているでしょうか?毎日日替わりではありませんか?
モノヅクリ現場が無駄とりが上手なのは、対極にある大事が不変だからと考える事が出来ます。しかし、ホワイトカラー現場は大事が日替わりとなり、その結果無駄も日替わりとなっています。モノヅクリ現場と同じように無駄取りをしても効果がないどころか、無駄とり自体が困難な状態にあるといえます。ホワイトカラー現場は「無駄とりではなく、大事探し」が生産性向上のポイントだと気付くべき、気付いたほうがよいとこのコースでは考えています。 また大事がはっきりしていないことによって、仕事の25%前後はしめる突発対応のしかたも変わってきます。ホワイトカラー現場では、電話や上司からの指示、同僚からの質問などで次から次から突発が生じると大概の人は集中が欠け「日が悪い。この仕事は明日にしよう」と仕事の先送りをすることになります。 モノヅクリ現場でも不具合などでラインが流れなくなることもあります。それが頻発したからと、「日が悪い。この仕事は明日にしよう」とはならないと思います。 その違いが生じるのも大事がはっきりしているかどうかの違いと考える事が出来ます。そろそろモノヅクリ現場の成功体験から脱却しないとホワイトカラー現場の生産性は向上しないとこのコースでは考えています。
まずは1日の大事をはっきりさせてください。具体策は次回以降にご紹介します。
| 1)スキルアップ(腕前をあげる)の二つの道 | 2)スキルとストレス | 3)スキルと業務変革 | 4)人のしくみと生産性 |
| 5)仕事のしくみと生産性 | 6)マネジメントモデル | 7)モノヅクリ現場とホワイトカラー現場 |
 
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