四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2009/2/15発行
 「徒然草52段」

徒然草の52段は、「仁和寺の法師で」はじまり「少しのことにも先達はあらまほしきことなり」でおわります。

仁和寺の法師の知ったかぶりによる失敗を紹介し、ちょっとのことにも専門家や道に明るい人の助けは必要だよね。って話です。

最近、費用の削減を今まで以上に進める企業が増えてきています。経済環境を考えると当然ともいえますが、やりすぎだったり、コンプライアンスに抵触していたり、費用に見合う効果がなかったりということも見受けられます。

私のところでの、お話で言うとこんなことがありました。

あるセミナー会社さんのタイムマネジメントトレーニングのカリキュラムを見ていたら、私の著作である「できる人のタイムマネジメント」(東洋経済)の第二章の「仕事の困ったを解決するタイムマネジメント」の見出しが順番に並んでいました。さすがに気になったので、資料を取り寄せようとしましたが、詳しい内容は面談でなければお渡しできないとの返答でした。

また、ある雑誌のタイムマネジメント特集の内容が数年前に私が別の雑誌社の特集で構成案と原稿を作成したものに酷似していたこともありました。

また有名な「がんばるタイム」も当方の「自分へのアポイント」(一日の中で一番大事な自分一人で行う仕事を手帳やスケジューラに入力し、その仕事に集中)を変質させたスキル(がんばるタイムを開発したコンサル会社の社員ががんばるタイム開発前に当方のセミナーに随分と参加されていた)だと私は思っています。

ちょっと見たり触っただけで理解したつもりになり、コース開発や特集を組まれているのだろうと思いますが、正しく仁和寺の法師です。仁和寺の法師は自分にだけ不都合が生じたので自業自得ですが、それで商売すると他人にも迷惑をかけることになります。困ったものです。

「自分へのアポイント」は自分の仕事を自分で管理するための技術ですが、どうも「がんばるタイム」は会社が社員を管理するための技術と私には見えてしまいます。前者は適正なモチベーションを維持できますが、後者は間違いなくモチベーションの低下を招くことになります。

かようにタイムマネジメントのスキルはすぐに真似できるように思われがちですが、その真髄を理解している人は極めてまれです。

というわけで、小協会は当方のノウハウをしっかりと伝えることの先達として、認定コンサルタント制を導入しています。

まじめにタイムマネジメントの導入をお考えでしたら、小協会の認定コンサルタントにご相談なさることをお勧めします。わかったつもりで取り組むプロジェクトほど危なくて費用のかかることはありません。十分ご注意のほどを。


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