四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2009/2/1発行
 「ワークシェアリングの阻害要素」

今回もテーマはワークシェアリングです。今回は阻害要素について。

仕事のしくみで考えると、「自分一人」でやる仕事と「他人と共同」でやる仕事の二つの仕事しかありません。これは社長でも新入社員でも一緒です。

自分一人でやる仕事に必要なのは、その仕事の専門知識です。一方他人と共同でやる仕事に必要なのは目の前に相手がいるわけですからコミュニケーションの技術が不可欠です。仕事は二種類しかなく、その二つの仕事を全うするためには専門知識とコミュニケーションが絶対必要です。さらにはこの二つを最有効に機能するように二つをつなぎ合わせる技術として「さばき方」の技術もあると考えると、私たちの仕事に必要な技術は、社長から新入社員まで「専門知識」「コミュニケーション」「さばき方」の三つということになります。

ワークシェアリングの導入を考える時も、この三つの技術を考える必要があります。現場サイドでワークシェアリング導入に否定的になる一番の理由は「専門知識」です。専門知識のギャップが仕事をシェアすることの大きく、高いハードルとして横たわっています。派遣社員に専門知識の蓄積を求めるのが難しいことに気づいた企業は正社員化を進めているのももっともなことです。

また、ものづくりの現場と違ってホワイトカラーの現場では、専門知識だけでなく、コミュニケーションの問題も阻害要素となってしまいます。ワークシェアリングではなく通常の業務遂行においてさえ、フレックスタイム導入により情報の共有化(業務遂行の共有化)の齟齬が生じているのに気づいた、いくつかの企業でフレックスタイムの廃止を決定しはじめているのもやはりもっともなことです。

さらには、仕事のさばき方(進め方)はパソコンで言えばOSのようなものといえます。このさばき方もバラバラでは仕事の成果がでないことがわかります。例えば、仕事には「自分一人」と「他人と共同」の二つしかなく、どんな仕事にも「はじめ」と「おわり」があることを考えると、私たちのビジネスタイムは四つしかないことがわかります。しかし、この四つの時間の対処方法を全社員が共通に同じようには行っていません。一人ひとりバラバラです。他人と共同のはじめを大事だと考えている人と自分一人のはじめが大事だと考えている人が仕事をシェアすると業務上の様々な支障が生じることは容易に想像できます。

以上のように考察すると、ワークシェアリングの阻害要素は、実は阻害要素ではなくマネジメントスキルの未発達と考えることもできます。

「専門知識」「さばき方」「コミュニケーション」のスキルが今以上に、各従業員において向上すれば、業績向上はもちろんのことワークシェアリングも容易に実施できると、各自がそんなスキルを持てるようになれば良いなあと思いながら、今日もトレーニングをさせていただいています。


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