四隅の時間で
タイムマネジメント
■マネジメントレクチャー

「情報化・国際化と優先順位」


この10年の間に、我々が入手する情報量は、飛躍的に増大している。それは、情報量だけの問題ではない。情報の伝達のスピードも飛躍的進歩を遂げている。そして、同時に情報の発信先も確実に増大した。このことは、我々に多くのビジネスチャンスを提供している。同時に、一つの情報の活性化(使える)の期間を短いものとする方向に進んでいる。いわゆる情報の陳腐化のスピードアップである。このことは、ビジネスの国際化や、24時間化のベースになる要因だと思う。かつては、「十年一昔」と言ったが、今や、「十日一昔」の時代である。

一方、情報伝達能力の進歩や、伝達スピードの向上は、ビジネスの舞台をローカルからグローバルなものに変える大きな役割を果たしている。また、ビジネスの成否は、この情報量の差によって発生するとも言われて久しい。果たして真実であろうか。

ここまで情報量が増大すると、日々の我々の生活やビジネスは、それに翻弄される結果とはなっていないだろうか。事実、多くのビジネスマンは、社内回覧や各種の郵便物、ビジネス情報の管理に手を焼いている。情報を受け取る側が、それなりの体制をとっていなければ、我々に大きな課題を与えているように思う。肥大した情報の中から、使えるものと、そうでないものの選択が迫られている。つまり、情報の「量」から情報の「質」が課題になってきているように思う。この視点が欠落することによるビジネス上の課題は沢山ある。OA化が叫ばれて久しいが、果して、各企業はOA化に成功したのか。多分答えはNoであろう。中小企業は大企業に比べて、小回りがきくとよく言われる。これも情報の視点で見れば、当然、情報量は中小企業より大企業の方が多いに決まっている。小回りがきくということは、意思決定が早いということである。ふんだんな情報量の中から意思決定するのと、貧弱な情報量で意思決定するのでは、当然、前者が圧倒的な優位にあるようだが、実際はそうでもない。貧弱な情報量でも、内容のある情報があれば、充分な意思決定は可能である。中小企業はそれを実証しているとは言えないだろうか。逆に、情報量が増大すれば、その中から使える情報を選択するのは、情報量の増大と比例して難しくなってくるのも事実である。大企業病とか言われるのも、正しくこの情報量が増大することにより、内容のある情報を選択できない状況ではないだろうか。

こう考えてくると、情報化・国際化の時代は、我々に多くのビジネスチャンスをもたらす一方、意思決定、情報の選択を大変難しいものにもしてきている。この対策は、情報を受け取る側に、選択、選別の機能が益々必要になって来ていることを示唆している。つまり、優先順位を付けることの重要性を改めて認識する時代である。


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