四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2008/7/15発行
 「熱意」


先日ある企業の研修ご担当者から、トレーニングのお礼と注文がメールで来ました。

そのメールを見てびっくり、人間が練れていない私としてはムカついてしまいました。
「次回のトレーニングでは、もっと熱意を持って話していただきたい。」とのご注文でした。

20年間のトレーニングのなかで、熱意のないレクチャーだと言われたのも初めてのことで、このご注文にどう対応すべきか皆目見当もつかない状態でした。ただただ不愉快、不快の一言でした。

トレーニングコースでは、コミュニケーションは主観と客観のバランスが大事、話すときは熱意の服と真実の体で!とレクチャーしている私としてはショックでした。

とはいっても「熱意がない!」といわれたのは紛れもない事実なので、ご注文を実現する算段をすることにしました。

まずは、当日のトレーニングを振り返りました。今までのトレーニングスタイルと何か違うことがあったかを検討しましたが、見当たりません。そうなると、その日が特別だったわけでなくいつものトレーニングスタイルの中に熱意を感じさせない何かがあるということになります。これは大変なことになってしまったと思いました。20年間かけて構築してきて、自分でもそれなりに自信もあり、参加者からは高い評価を得ているスタイルを客観的に見るのは容易なことではありません。

次にトレーニングスタイルではなく、カリキュラム内容、お伝えしたスキルのコンテンツを検討してみました。すると心当たりらしきものがぼんやりではありますが、見えてきました。それは、数ヶ月前からトレーニングでお伝えしている「スキルチェックチャート」というタイムマネジメントのスキルレベルを誰でも簡単に自己評価でき、かつスキルアップすべき道筋もわかるという最新の理論とノウハウです。 具体策は簡単ですが、背後にある「仕事のしくみ」の考え方、理論を含めるとかなり高度なスキルです。何層にも積み上げられた事実、客観の上に成り立っているスキルです。 たぶんですが、このスキルをお伝えするのに、主観と客観がアンバランスだったのではないかと思います。客観が高度であればあるほど、主観も高度にならなければ受け手は「難しい話だとか、伝える気があるのか」と感じるのは当然のことです。

つまり、新しいトレーニングのコンテンツは何を伝えるかははっきりしていたが、どう伝えるかはまだまだの状態だったということだと結論づけました。

さっそく、新しい素敵なコンテンツをどう伝えるかを一生懸命考えることにしました。 二度と熱意がないとは言われたくありませんから。


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