四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2006/10/15発行
 「こりゃないよ!?」


実は、私は、スモーカーです。ちゃんと、二十歳なってからのまじめなスモーカーです。この仕事をしていると、多くの方に勘違いされます。「タイムマネジメントのコンサルタントだから煙草は吸わないだろう」と思われているようです。

私も今から二十年近く前、英国にタイムマネジメントの修行に行く前に、覚悟を決めたものです。たぶん、向こうでは、煙草は、吸えないだろうから、これを機に禁煙しようと思いました。案の定、当時の日本では珍しかったのですが、英国での修行先のコンサルオフィスでは「NO SMOKING」の張り紙がいたるところにあり、いよいよ覚悟したものです。

しかし、私の師匠に当たるジェームス・ヌーン氏が休憩時間に「ちょっと」と手招きするので付いていくと、オフィス裏の駐車場に出ました。そこには大きなドラム缶があり、その前で氏はおもむろにポケットからロスマンの煙草を出し、私に勧めてくれました。ドラム缶の中を覗くとロスマンの吸殻だらけでした。

というわけで私は禁煙の大事なチャンスを失い、以来スモーカー道をまい進中です。

そんな私が、先日、出張で東北新幹線に乗ることになり、東京駅の22番線ホームにちょっと早めに着きました。喫煙所のマークを見つけ、ホームをとことこ歩いて目指す目標に着いたらびっくり!ガラス張りの小さな喫煙所があり、あふれんばかりにスモーカーがいっぱいでした。さすがの私も入るのを躊躇していますと、私と同様に躊躇するスモーカーが何人かいました。結局入らないスモーカーも出る始末で、「これはスモーカーに対する嫌がらせか」とも思いました。嫌がらせに屈するのも癪にさわるので、意を決して中に入ると、外から見る以上にとんでもない状況で、さすがにスモーカーであることが悲しくさえなってしまいました。

ぎゅうぎゅう詰めのうえ、灰皿が小さいのが二個しかなく、灰皿を使おうにも使えない状況です。正直なところ危険極まりない状況です。いつ、よそ様の着衣を焦がしてもおかしくない状況です。思わず「こりゃないよ!!」と心の中でつぶやいてしまいました。

喫煙の良し悪しは、ともかくとして多分このスモーキングルームは非喫煙者が作ったんだろうなと勝手決めて、お客の立場にたつ、人の立場に立つことの難しさを改めて考えさせられました。


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