四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2006/10/1発行
 「バブラー」


ここのところ、私のまわりの流行語は「バブラー」です。バブラーとはバブル期に入社した社員のことですが、意味合いは決してよいものではありません。一言で言えば「仕事ができないヤツ」の代名詞みたいなものです。

バブラーもいまや会社の中堅どころです。部下を育てなければならない立場なのですが、私のところに相談にいらっしゃる方々の多くが「OJTが機能しない」とか「若手を面倒見るゆとりがない」とか「そもそも仕事の基本ができていないので若手を育てるどころではない」など各社ともバブラー問題を抱えているようです。ときおりしも2007年問題で団塊世代の大量退職でノウハウの欠落が危惧されています。まさしく日本中がノウハウの危機に直面していると見えます。そしてその犯人探しが「バブラー」です。

しかし、私は「バブラー」さんには同情的です。バブラーさんの一番の問題は容易に入社できたことから生じる「甘さ」や「問題意識の欠落」にあるのではなく、入社1・2年目の大事な時期に先輩や上司が忙しすぎて、まともな指導を受けず、その結果仕事の基本が欠落してしまったともいえます。つまり、経営サイドが人材育成という視点を軽視して大量に採用したつけといえます。そして2007年問題や「バブラー問題」を抱えながらここ数年は各社とも大量採用の様相です。「第二バブラー」が十数年後に大量発生しないことを切望する今日この頃です。雇う体力でなく育てる体力を真剣に考える時期、局面に日本企業は到達してると思います。


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