四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2009/6/1発行
 「タクシードライバー」

先日本州の端にある県のある都市でセミナーを実施しました。

会場までは、タクシーで行ったのですが、そのタクシーの運転手が話し好きの人で・・。

「運転手さん、あの右側に見える変わった建物は?」
「あー、あれね。市庁舎と博物館さ」
「へえ、市庁舎にしては奇抜だね。」
「ま、市長が変わるたび新しい『ハコモノ』ができるかんね。たまったもんじゃないさね。わしら庶民には金は届かん、ホコモノじゃ。」
「そんなにハコモノが?」
「好きなんじゃねハコモノ。笑えん話もあるんよ。」
「どんな?」
「こんなんじゃいかんと仲間を募って、市長選を戦ったことがあるのよ。」
「ハコモノ反対市長?」
「そう。じゃけんど結局当選したが、裏切られたとよ。」
「ハコモノつくっちゃたんだ。」
「それも許せんことに、わし等と同じ貧乏な人やったんけど、市長やめたら立派な御殿のような家を建てんしゃった。どこから金が来たんかねえ?」
「なるほど、それは確かに究極の、ハコモノだね。笑えるね。」

この話が終わった途端、それまで饒舌だった運転手のじい様(多分70歳過ぎ)が一言もしゃべらなくなってなんとなく気まずいような車内に。その運転手じい様を観察すると唇をぎゅっと噛んでいるようで、どうも思い出したくないことを私が思い出させたようで、やれ困ったなあと思ったところで会場に到着。

ちょっとたちの悪いブラックユーモアのような話を聞いた山口の一日でした。


0:ホームへ 1:戻る
2:上へ 3:次へ
Copyright (C) : JTIME