四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2010/1/5発行
 「2010現場レポート:提言1<ジョブローテーションの廃止>」

みなさま あけましておめでとうございます。 本年も日本タイムマネジメント普及協会をよろしくご支援くださいますようお願い申し上げます。

2003年のお正月から開始しましたこのメルマガも150回近い回数となりました。毎回現場指導での出来事などをレポートさせていただいておりましたが、今年からはそれに加えてNPO法人としての「提言」もこのレポートでさせていただきます。

その理由は、現場レポートでのネタがなくなってきたからではありません。今のままでは日本社会や企業さらには各個人も立ち行かなくなると危機感をもっているからです。小協会の持ち合わせている考え方、ノウハウで少しでも現状が打開できて、個人もチームも企業もそして社会も豊かになってもらいたいとの一念からです。

さて第一回目の提言は<ジョブローテーションの廃止>です。今日本の企業の多くは、従業員のモチベーション維持のひとつの手法として、定期的に配置換えをするジョブローテーションを導入しています。社員のやる気を継続させるには、良いとされているこの制度も時代の流れの中で、長時間労働やディスコミュニケーションの原因になっているかもしれません。というより小協会の現場指導の経験からいえば、明らかに生産性の阻害要素としてジョブローテーションがあげられます。早急に対応を考えるべきだと思います。

では、提言にいたった背景をご説明します。

まずは全てのビジネスパーソン(社長から新入社員にいたるまで)にあてはまる「仕事のしくみ」があります。そのしくみとは私たちのやっている様々な仕事もたった二つの仕事に分類されてしまうということです。それは書類作成やPC操作のようなデスクワークで「自分一人」で行われる仕事です。もうひとつは会議や商談、打合せや電話対応など目の前に相手がいる「他人と共同」で行う仕事です。そしてこの二つの仕事につかわれるスキル(技術)は別物です。「自分一人」で行うデスクワークには「専門知識」は不可欠です。担当する仕事の専門知識がなければその仕事を処理することはできません。一方、「他人と共同」で行う相手がある仕事には「コミュニケーションの技術」は不可欠です。

このことからもわかるように、定期的なジョブローテーションはやる気の維持にはつながるかもしれませんが、「専門知識の断絶」「新たな専門知識の習得」という問題が生じることになります。一昔前ならやる気と専門知識を天秤にかけても釣り合っていたかもしれませんが、高度情報化社会となった現在においては、状況は大きく変わったといえます。つまり一昔前の専門知識と現在の専門知識では、当然現在の専門知識の方が難しく、習得にも時間がかかるということです。

このことを知らずに、旧態依然とモチベーション維持のためにジョブローテーションを行えば、逆にモチベーションの低下さえ招いているかもしれないということです。

対策はふたつです。ジョブローテーションに代わるやる気の維持のしくみを考えるか、専門知識の伝達が瞬時に実現するしくみをつくるかです。どう考えても専門知識を瞬時に伝えるのには無理があります。つまり、ジョブローテーションに代わるやる気維持のしくみを開発するしかないといえます。

今回の提言への質問、ご意見等どんどんお寄せください。みなさんと一緒に提言の内容を深めていきたいと思います。

では、本年もよろしくお願いいたします。


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