四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2008/8/15発行
 「タイムマネジメントの流派」


以前にタイムマネジメントの市場がやっと日本でもでき始めたとこのレポートで書いてから、更にこの現象は加速しているようでなによりです。

そこで今回は、タイムマネジメントトレーニングの流派を分けてみたいと思います。世界的にみると流派大きく分けて二つです。ひとつはアメリカ流、もう一つはヨーロッパ流です。当方はそのどちらにも属しません。世界的にみると今のところ傍流です。

アメリカ流のタイムマネジメントのキーワードは「七つの習慣」に代表される価値(価値観)です。時間の価値を考えましょうなんてフレーズがあったら間違いなくアメリカからやってきたタイムマネジメントのスキルとみて間違いないでしょう。この根底にはアメリカ独自の成功哲学(アンドリュー・カーネギー、ナポレオン・ヒルなど)の影響があると思います。その意味では、人生から考えないと的な重たさがあります。

一方のヨーロッパは「GETTING THINGS DONE」(タイムマネジメント業界では一般的にGTDとも呼ばれている)に代表されるタスクマネジメントの考え方が主流です。この根底にはイギリス人サミュエル・スマイルズの「自助論」の影響が大きいと思われます。

ちなみにアメリカの成功哲学の母体はこの「自助論」とも言われています。

ところで、「自助論」が刊行されたのは19世紀の半ばです。そうするとタイムマネジメントのルーツは19世紀の半ばと見ることもできます。

しかし、その「自助論」よりも百年近く前にタイムマネジメント的な表現・表記を日本の紀州藩の記録にみることができます。
・会議に参加し、一言も発せぬは武士の恥
・一日の仕事が終わったらば、上長に終わった旨を報告し、更に一言他にやるべきことのありなしを確認し、なしとの返答を受けたら下城時刻前でも即刻下城せよ
などの今でいうところのタイムマネジメントスキルが実践されていたようです。

つまり、今の日本は経営学にしても心理学にしても欧米からの輸入でまかっています。そのほうが権威があるように思われていますが、17、8世紀の我々の祖先は鎖国はしていても世界標準以上のマネジメントスキルを有していたといえます。

というわけで、日本タイムマネジメント普及協会は民族主義ではありませんが、タイムマネジメントのスキルについても欧米からの借り物ではない日本の独自性を追求していこうと思っています。皆様のご支援のもと、それがタイムマネジメントの三つ目の流派となるように奮闘努力いたします。


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