四隅の時間で
タイムマネジメント
■現場レポート

◎2005/3/15発行
 「フレッシャーズ」


フレッシャーズとは、社会人新入生のことらしい。

私がフレッシャーズだったころは、フレッシュマンと呼ばれていたのだが、時代の変化とともに、言葉も変わる。確かに、フレッシュマンだと、女子社会人新入生は何と呼ぶのだろうかという問題も生じる。

男女合わせてフレッシャーズ。使い慣れると、これは、これで頭の中で落ち着いて、違和感もなくなる。

先日、ある百貨店のフレッシャーズ対象の講演を行なった。実は私にとって、フレッシャーズに対しての講演、セミナーは17年の中で、初体験であった。

男女合わせて40名弱の講演を二つのグループに対して実施した。さすが名門百貨店。私の講演は三日間の研修の初日の午後一番目のカリキュラムとなっていた。多分、午前中に「おじぎ」の訓練をしたのだろう。講義の前の「おじぎ」は、糊の効いたYシャツのようにパリッとした気持ちのいいものだった。

二回目のグループの時、昼休後の集合時間に、遅刻してきた若者がいた。人事担当者から、「今日これで2回目だよ!!しっかりやろうよ!」とおしかりを受け、頼りなげにおどおどした姿が私には、印象に残った。

講演がはじまると、全員、喰いつくように真剣に聞いている。

フレッシャーズはいいなぁ。気合入れて話そうと、ついつい、こちらもその気にさせられる。管理者研修で斜に構え、のけぞりながら聞いている人達とのつき合いが長いので、とても新鮮だった。

当日は、仕事のスキルは「コミュニケーション」「ナレッジ」とこの二つをつなぐ「仕事のすすめ方」の三つに分解できることなどを説明し、6つの班に別れて「コミュニケーション」の聞く、話す、読む、書くの4つのスキルをグループ分けする討論を実施し、各グループに発表してもらった。発表の内容は各グループ似たり寄ったりだが、発表の方法は、個性が表れる。

その中でも、発表の仕方が、淡々としてはいたが、プレゼンテーションの基本ができている若者がいた。

新人にもかかわらず、初日から2回も遅刻した彼だった。あまりにも素敵な発表だったので、持ち合わせていた私の書籍を、その場でプレゼントさせていただいた。

講演が終わると、自信なさげに、その彼がやって来て、「今日はお世話になりました・・・。本しっかり読みます。」というなり、その場からさっと去ってしまった。唖然としつつも、なんとなく微笑ましくなった。

彼を含む、日本中のフレッシャーズ、社会での日々に幸あれ!!


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