<ポイントは4つの時間>

 
 
”投下時間”については、すでに言及しましたが、ここで今少し詳しく、考えてみることにしましょう。
 投下時間は、ある仕事を始めてから終えるまで、つまり”開始”の時間から”終わり(期限)”の時間までを言います。さらに、開始の時間には”自分ひとりでやる仕事”の開始の時間と、”他人と共同でやる仕事”の開始時間と、2つがあります。終わりの時間も同様に、自分ひとりでやる仕事の終りの時間と、他人と共同でやる仕事の終りの時間の、2つがあります。タイムマネジメントとは、実はこの4つの時間をコントロールすることなのです。
 そこで質問です。皆さんは4つの時間をきちんと管理してますか? スケジュール帳を開いてみて下さい。おそらく「3時、A社のB氏を訪問」というように、他人と共同でやる仕事の開始の時間しか書き込んでいないのでは? ほとんどのビジネスマンが、4つの時間のうち、たったひとつの時間しかコントロールしていないのです。これでは、自分ひとりの仕事をまったく管理できないのは当然として、会議や商談など、他人と共同でやる仕事を効率良く完遂するのも難しい。
 会議の終了の時間が明確でなければ、限られた時間内で満足すべき成果は挙げられません。いつまで経っても何の結論も得られず、ズルズルと会議が長引くだけです。また、会議を効率的に進めるには、会議に必要な資料等の準備をしておかなければなりません。そのためには、やはり自分ひとりでやる仕事の開始と終りの時間をマネジメントしなければならないのです。
 しかし現実問題として、4つの時間をすべてマネジメントするのは難しい。ここでは、自分ひとりの仕事の開始時間のマネジメントを心掛けて下さいと、言っておきましょう。何故、その開始の時間が重要なのかは、この後の節で詳しく説明します。

<タイムマネジメントのしくみ>


 
弊社のノウハウは、「タイムマネジメントのしくみ」を今までにない切り口で解き明かし、皆様が今よりもワンランク、ツーランクアップした仕事ができるよう企画されています。
 ところで、この「タイムマネジメント」という言葉は、日本語として何の支障もなく使われています。しかし、その中身となるとどうも曖昧としているようです。
 そこで、本書を展開する前に、この「タイムマネジメント」を定義しておこうと思います。
 一般的に「タイムマネジメント」は「時間管理」と思われています。しかし、時間は増やすことも減らすこともできません。124時間、1365日は、万人に共通です。差が生じて来るのは、その時間の中で、何をやったかという中身の差です。ビジネスの世界での中身は、仕事そのものということになります。つまり「タイムマネジメント」とは「時間の管理」ではなく「仕事の管理」ということになります。限られた時間の中で、いかに上手に仕事を処理するかの技術といいかえることもできます。
 では「仕事」とは何でしょう。この質問の答えは、「タイムマネジメントとは?」以上に十人十色の答えとなるはずです。タイムマネジメントのイメージが曖昧なことの本当の理由はこの「仕事」に対するイメージの曖昧さにあります。
 本書では、「仕事は自分と他人の共同作業」と定義し、「仕事のしくみ」をマニュアルのように捉えさせていただきます。
 限られた時間の中でいかに上手に仕事をするかを実現するためには、仕事のしくみを知ることが大事という考え方です。
 つまり、「タイムマネジメントのしくみ」とは「仕事のしくみ」といえる訳です。
 マニュアルを概観いただき、本書の活用法をイメージしながら、本書を読破下さい。詠み終える頃には、確実にランクアップしているはずです。

3-2.ビジネスマナーと四つの時間
   ポイント
     ・ 支店長はビジネスマナーのお手本

     ・ 仕事の仕組みがわかると効率が上がる
1.下図のように仕事には四つの時間がある。
2.会議や商談のような他人と共同の仕事では、
  終わりの時間を明確にすることが大事。
終わりの時間を明確に伝えることによって相手に対する
ビジネスマナーになる。また、投下時間がはっきりすると
達成できる仕事の質と量もはっきりする。具体的な動きが
わかる
自分の仕事の効率も上がる
相手の仕事の効率も上げられる
  チャート図17




                 
               
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