”投下時間”については、すでに言及しましたが、ここで今少し詳しく、考えてみることにしましょう。
投下時間は、ある仕事を始めてから終えるまで、つまり”開始”の時間から”終わり(期限)”の時間までを言います。さらに、開始の時間には”自分ひとりでやる仕事”の開始の時間と、”他人と共同でやる仕事”の開始時間と、2つがあります。終わりの時間も同様に、自分ひとりでやる仕事の終りの時間と、他人と共同でやる仕事の終りの時間の、2つがあります。タイムマネジメントとは、実はこの4つの時間をコントロールすることなのです。
そこで質問です。皆さんは4つの時間をきちんと管理してますか? スケジュール帳を開いてみて下さい。おそらく「3時、A社のB氏を訪問」というように、他人と共同でやる仕事の開始の時間しか書き込んでいないのでは? ほとんどのビジネスマンが、4つの時間のうち、たったひとつの時間しかコントロールしていないのです。これでは、自分ひとりの仕事をまったく管理できないのは当然として、会議や商談など、他人と共同でやる仕事を効率良く完遂するのも難しい。
会議の終了の時間が明確でなければ、限られた時間内で満足すべき成果は挙げられません。いつまで経っても何の結論も得られず、ズルズルと会議が長引くだけです。また、会議を効率的に進めるには、会議に必要な資料等の準備をしておかなければなりません。そのためには、やはり自分ひとりでやる仕事の開始と終りの時間をマネジメントしなければならないのです。
しかし現実問題として、4つの時間をすべてマネジメントするのは難しい。ここでは、自分ひとりの仕事の開始時間のマネジメントを心掛けて下さいと、言っておきましょう。何故、その開始の時間が重要なのかは、この後の節で詳しく説明します。
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