皆さんは、自分がどんなスタイルで毎日、仕事をこなしているかを考えてみたことがありますか?
私が今、コンサルティングをしている某金融機関に鈴木さん(仮名)という支店長がいます。ある日、彼の仕事ぶりを拝見すると、まず目についたのが、机の書きかけの書類が山と積んであること。朝一番に、鈴木さんは明日の営業担当者との会議に使う報告書にペンを走らせ始めました。
「どの仕事から始めるかなんて考えるだけ時間の無駄。考えてる暇なんてないんだから、目についたものからやる」
部下にやらせたらと言うと、「ウチの奴らに任せてたら、満足な書類ができない」と宣う。そうかと思えば、書きかけの書類を置いて営業担当者を呼びつける。
「○○自動車工場の融資の件どうなった?」「あれは始めたばかりですから、まだ……」「ヨシ、俺も一緒に行こう」
そう言って、外回りに行ってしまう。帰ってきてからも、○×自動車の融資の提案書を自分で作り始めたり、別の職員が企画書の相談に来れば、「その企画書は俺がやる」と取り上げる。その揚げ句、「次から次と仕事があって、何が何だか訳がわかんない」と嘆く。この鈴木さんのような人を、我が「仕事の科学研究会」では、Aタイプと称しています。
一方、私のサラリーマン時代の部下、山田君(仮名)は一種、完璧主義の傾向があり、電話の取り次ぎメモでさえ、日時から相手の名前、用件等々、A4用紙にワープロで打つのです。日報も各種届けもすべてワープロで作成する。そんな彼の作る企画書も、内容は完璧でした。新規プロジェクトの企画書では、我が社、競合他社の事業分析のみならず、他社の抱える問題点、市場の問題点を論じ、ついでにその改善策まで示すという手の込んだもので、感心するとともに、「そこまでする庫たあ、ないだろう」と思ったものでした。彼のようなタイプは典型的なBタイプです。
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