皆さんは、他人とコミュニケーションをとろうとする際、4つのスキルを使っているはずです。すなわち、「聞く」「話す」「読む」「書く」の4つです。
ちなみに、4つのスキルの中で最も易しいスキルが「聞く」であり、次いで「話す」「読む」と続き、最も難しいのが「書く」です。これは、我々が生を受けてから、どんな順番で4つのスキルを身に付けたのかを考えてみれば、容易に理解できるでしょう。最初に「書く」ことを修得した人はいないはず。まず言葉を覚え、成長するにつれ、言葉を話すようになり、文字を覚え、最後に文章での表現ができるようになったはずです。
ところで、ビジネスの現場で4つのスキルが、それぞれどんな頻度で使われているのか、皆さんは御存じですか。仕事の科学研究会のデータでは、平均値として、ひとりのビジネスマンが1日に行なうコミュニケーションの中で、「聞く」を使っている時間が45%、「話す」が30%、「読む」が15%、「書く」が10%となっています。
つまり、皆さんは最も易しい2つのスキルによって、コミュニケーションの大半を行っているのです。本来は、情報の種類によって、それぞれ伝えやすいスキルもあれば、伝えにくいスキルもあるのですが、その使い分けができていないというのが、現状です。
さらに言えば、「阿吽の呼吸」という習慣の残る日本のビジネスマンは、一般的にコミュニケーションのスキルが未熟です。このスキルは、チーム・コントロールの要となるものですから、このスキルが身に付いてるかどうかが、管理職としての優劣を左右すると言っても、過言ではありません。ところが、「聞く」に長けてる管理職は少なく、「話す」に長けてる管理職は、さらに少ない。
管理職ともなれば、コミュニケーション・スキルを磨く努力をしてほしいものです。その要点が、マニュアルに挙げたゴールデン・ルールです。
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