1-1.水戸信用金庫支店長モデル
   ポイント
     ・ 支店長の属性(個性)と金庫の方針・目標の融合

     ・ マネジメントマップの把握
1.支店長モデルは支店長の数だけある。
1.今の仕事の重点が何処にあるか一目瞭然。

2.業績、成果と照らし合わせて、今後の重点分野を
  はっきりさせよう。
2.支店長のマネジメント分野は四つ。
3.四つの分野への比重のかけ方によって、
  業績を
コントロール。
4.マネジメントマップ(右図参照)を作成
  してみよう
  チャート図01

                 
  関連セクション
<パフォーマンスとリソーセス>

 
 仕事を目的で分類すると二つのグループになります。一つは、市場(お客様)に影響を与える仕事。具体的に商品やサービスを開発、提供し、その対価を得る仕事です。もう一つは、会社、組織を強くする仕事。具体的には人材育成、財務、人事、総務などの仕事です。この二つの仕事はコインの裏表のように切り離すことはできませんが、コインの裏表のように認識することはできます。

 もっと簡単にいえば、売上げを確保するための仕事と、会社、組織を最有効に運営する仕事といえます。前者をパフォーマンスマネジメントと呼ぶことにします。
 一般に組織が肥大化してくると、リソーセスの割合が大きくなる傾向にあります。社内に様々なルールが設立され、それを守るだけでも大仕事ということになるわけです。
 ここで大事なことは、各個人およびチーム、組織において、実施した仕事の、パフォーマンスとリソーセスの割合がどうなっていたのかと恒常的に把握することです。
 売上げが落ち込んで来たのは、パフォーマンスへの投下時間が減ったからだというふうに判断ができ、対策も取れるということです。
 しかし、現実はそんな単純なものではないのは当たり前です。パフォーマンスへの投下時間は増えているにも関わらず、売上げが伸びないということもしばしば発生します。そんな時もう一方のリソーセスの時間は十分取れているか、または、リソーセスがらみの仕事がトラブルもなく順調に(効率良く)処理されているかをチェックするヒントをこの考え方は教えてくれます。
 ちなみにこの不況の中、好成績を長期間続けている企業の共通点は、ワンランクアップしたリソーセスマネジメントを確実にやっている企業です。

<ルーティンとプロジェクト>

 
 仕事の進め方で分類するとたったの二種類しかありません。一つは、毎日、毎週、毎月継続的に行なうルーティン業務。もう一つは、期間限定で行なうプロジェクト業務。仕事には、様々な内容があります。進め方で振り分けると実はこの二種類しかありません。
 ルーティン業務の特徴は、どれ位で処理できるかの投下時間の予測はつけられますが、具体的にやる内容は、その場になってはじめてわかるという傾向があります。一方、プロジェクト型の業務は、それとは逆で、何をやらねばならないかの具体的行動内容は、事前にわかりますが、それにどれ位時間がかかるかは、やってみないとわからないという傾向があります。
 また、ルーティン業務は、もともとプロジェクト業務で、何度も繰り返すうちに、ルーティン業務に変化したと見ることができます。
 一般的に、ルーティン業務への投下時間が圧倒的に多い場合は、仕事が硬直状態にある可能性があります。また、プロジェクト業務への投下時間が圧倒的に多い場合は、仕事の変化が激しく、コミュニケーション、人間関係に支障が生じている可能性があります。
 また、パフォーマンス・リソーセスとかけ合わせて、仕事の全体像をプロットすると、仕事の進め方の現状把握が容易にできます。
 仕事に何か問題があったら、解決の方法として次のことがいえます。
 ルーティン業務に問題があるのであればその仕事を一時プロジェクト型(期間限定、行動明記)で取り組むこと。逆に、プロジェクト業務に問題がある場合は、その仕事をいかにルーティン業務にするかの方法を考え、実施することです。この作業だけでも、個人の仕事だけでなく、チームの仕事も容易に改善することができます。