スーパーアクションマネジメントレクチャー
※「会議ばっかで仕事にならん」第21節より引用

アクションマネジメントとは?!

休み時間に、例のコンサルタントの前は黒山の人だかりとなってしまった。望月は、それを見て、しめしめと思ったが、次の瞬間、セミナー前のコンサルタントの言葉を思い出した。

「いやあ、望月さんのご要望ですから、何とか1日でまとめますが、本気でやるなら3日は必要ですよ。こちらも責任指導できますからね。企業によっては、半年かけてやるケースもありますから。」
どうも、あの言葉は嘘ではなかったようだ。望月自身も、従来はさほど重要には思っていなかった仕事の進め方の知識が、これほど奥が深いものとは思ってもみなかった。また、奥が深くとも、ヘコたれずにヤルべき最重要課題であるとも思いはじめていた。

コンサルタント:「休み時間にたくさんの質問がありましたが、このテーマはあせらずじっくりが肝要です。先は長いですから、腰を据えて取り組んでください。では、アクションマネジメントについて、考えてみましょう。」

とコンサルタントは例によって1枚のOHPシートを取り出した。(図4−4)

4-4-a アクションマネジメントの基本
事前にわかる仕事
目標(重要) ⇔ 実績
突発の仕事
目標 ⇔ 実績(重要)
成果を出すためのアクションポイントは、仕事の性格によって大きく異なる。
アクションポイントの根幹は優先順位だが、優先順位には2つの性質がある。
1つは、「それが大事」(目標)、もう1つは、「何からやるか」(実績)の2つである。

「みなさんは順調に仕事がはかどっていますか。順調とは、予定通り、目標通り仕事が進んでいるということになんですが。」とコンサルタントは質問した。
望月:「順調に行っていれば、この勉強会も、会議のプロジェクトもやってませんよ。予定通り、目標通り仕事が進まないので、困ってるわけですよ。」
コンサルタント:「大変失礼しました。では、目標通り、予定通り仕事を進めるコツをご紹介しましょう。」とコンサルタントはOHPシートの説明をはじめた。
全員、我が身の問題なので真剣に聞き入っている。

 コンサルタントの話しをまとめると、以下の通りであった。
1.仕事には事前にわかるものと、そうでないもの(突発)がある。
2.予定通り、目標通り仕事が進まないしくみは、この2つの仕事があるせいである。
3.100%、予定通り、目標通り仕事を進めることは、まず不可能と知れ。
4.その上で、いかに100%に近づけることができるか、または、予定通り、目標通り行かないことによるダメージをいかに少なく抑え込むことができるかを考えよ。
5.それを実現するためには、優先順位の発想は不可欠である。
6.その優先順位は「それが大事」と「何からやるか」の2つの意味がある。
 と、いうことを学び、望月の部の仕事にあった具体的な優先順位のつけ方を伝授してもらった。(図4−4−b)

4-4-b 効果的な優先順位のつけ方
事前にわかる仕事
自分 B A
他人 C
後でやる 今やる
突発の仕事
自分 BX AX
他人 CX
後でやる 今やる
成果を出すための、効果的な優先順位のつけ方は「自分がやるか、他人がやるか」と「今やるか、後でやるか」の二つの基準である。
「今やる」は「何からやるか」と同義、「後でやる」は「それが大事」と同義と考えれば、「事前にわかる仕事」は自分が後でやる「B」が重要であり、「突発の仕事」は自分が今やる「AX」の仕事が重要とわかる。
また、「C・CX」の仕事は他人に任せることが重要である。

コンサルタント:「これで、みなさんの達成度はかなり向上するはずです。仕事のOS等を知らない企業の達成度は平均すると30%程度ですが、これを知ると倍の50%〜60%ぐらいの達成度に持っていくことができます。またウチの指導先の企業では、80%を越す企業もあります。この状態になると仕事のムダがなくなって、増収はムリでも増益が可能な状態をつくることができます。上を目指してガンバって下さい。」

ということで、仕事のOS勉強会は大好評のうちに終了した。
参加者からは、「コロンブスの卵」だとか「目からウロコが落ちた。」とか、大変役に立ったようだ。
望月もセミナーを聞きながら、会議対策のいくつかのヒントが浮かんでいた。