第8回 生産性の方程式(タイムマネジメントはスマートマネジメント)

<生産性向上の3つのキーワード>
タイプA(量偏重型)の要素とタイプB(質偏重型)の要素をバランス良くあわせ持つことが大事だとセミナーでお話しました。
何故、バランスが大切なのか?
現実のビジネスの現場では、常に時間という制約の中で仕事をしなければならないからです。時間の制約がなければ、量も質も、好き放題に追求することができるはず。時間が限られているからこそ、読者の皆さんも「量を求めるべきか、質を求めるべきか」と、ハムレット的悩みを抱えてしまうのです。
ここまで言えば、3つのキーワードとは何か、皆さんにもお分かりのはず。そう、キーワードは“質”と“量”と”と“時間”です。当トレーニングでは、ある仕事を始めてから終えるまでに要した時間を“投下時間”と呼び、質と量とともに、仕事を効率良く達成するための指標としています。
どんな仕事、どんな業種であっても、質と量と投下時間のバランスによって、生産性が左右されるのです。間違えないでほしいのは、3つの要素がイーブンであるのが、良いバランスだというのではない、ということ。昨今、「業務のスピード化」を唱える企業が多いのですが、これは質、量を変えずに投下時間を短くする(投下時間に比重を置くバランス)ことで、生産性を向上させるのが目的です。典型的なのが、あのマクドナルドの出店計画。IT化、システム化を図り、従来は2〜3年要していたのを、3〜4ヶ月で出店できるようになった。一方、量を拡大して生産性向上を果たし業績を拡大している代表例が、ダイソーをはじめとする百円ショップですし、質を高めて業績を伸ばしている代表例が有機野菜の生産・販売です。
ただ部下に向かって「頑張って働け」と言っているだけでは、生産性向上など得られません。 大切なのは、質と量と投下時間のバランスの最適化を図ること―これが生産性向上の秘けつだと覚えておいて下さい。

生産性 =  質 × 量
投 下 時 間

生産性を上げるには、
@今までより、少ない時間でやる
A今までより、多くやる
B今までより、上手にやるの
三つの取組みがある。

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